「結果はプロセスの成果である」

見える化」をうたったSFAでは、プロセスが見えても、次の一手につなげるだけのマーケティング理論が搭載されていない。見えた後の使い方は企業で考えろというスタンスであったのである。

 もともと企業に、「結果はプロセスの成果である」などという文化はない。今の営業上司は、精神論と根性論で育てられている。彼らは過去に、プロセスの成果としての結果を実現することを体験したことがない。こうした上司が部下の活動プロセスを見ても、契約に向けて次の一手を適切に指導できる体制とナレッジがない。

 SFAで可視化できたのは営業員の行動と時間だけである。だから、できることといえば、電子日報を集計した活動データを見て、「在社時間が長い」「訪問件数が少ない」「特定のプロセスから次のプロセスに進まない」ということを叱ることだけだった。