人間不信の社会システム論者

定時で 上野広小路
9時で 開放だ

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「そもそも税とは何か?」という点に立ち返るべきで、具体的には
 次の「3つの対立軸」について、それぞれゼロベースで議論を進めて
 いくべきでしょう。

1.社会負担方式 VS 税方式
 国民負担率を考えた時、現在の日本の租税負担率は25%程度です。
 加えて、医療・失業保険・年金などが社会負担方式として徴収されて
 います。

 全部を合わせてみると約42%で、多くの欧州諸国(約50%超が多い)
 よりやや低い数値になります。失業保険、健康保険なども結局は税金
 と同じだと思えば、日本も税方式のみで運用することは可能かも知れ
 ません。

2.フロー VS ストック
 フロー課税というのは「収入(フロー)」に対して課税するもので、
 法人税所得税などが代表です。

 一方のストック課税は「資産(ストック)」に対して課税するものです。
 不動産税などが分かりやすい例ですが、銀行に預けられている多額の
 預金も「資産」として課税対象とすることができます。

 日本のように経済的な成長が鈍化している国は、フロー課税のままでは
 税率を上げる以外に税収を伸ばす方法がありませんが、ストックは
 積み上がってきているので、ストック課税方式を採用する道も考えて
 おくべきです。
3.直接 VS 間接
 「所得税」のような直接税方式、あるいは「消費税」のような間接税
 方式のどちらを用いるのかも議論するべき事項です。例えばストック
 課税の場合で言えば、日本にある約1500兆円の個人金融資産に対して
 課税するのが直接税方式です。この場合、資産に対し1%課税する
 だけで15兆円もの税収が入ります。

 一方、所得や資産の額によって課税額が増減・免除されるのではなく、
 課税対象を広げようとする考え方が間接税方式です。


 この3つの対立軸について議論をしながら、最終的には社会負担方式
 と税方式のいずれを採用していくのかを考えなくてはいけません。