『ドラゴン桜』

黄色@21時57分
西新宿〜TULLYS〜メシ〜中野新町〜市ヶ谷〜御苑前

「社会のルールは頭のいいやつが作り,頭のいいやつに都合がいいようにルールを作っている。逆に都合の悪いところはわからないように隠している。頭を使うのを面倒がっているやつは一生騙されるようになっているんだ。それが社会のシステムだ」

「勉強なんてウザったいし〜」という高校生をたった一年で東大に合格させる,という作品だ。もちろんギャグ漫画じゃなく,極めてシリアスな作品だ。

 しかもこの漫画の中で明かされる勉強法が理に適っていて唸らされてしまう。「数学はスポーツでありゲームだ」「英語はビートルズの歌を歌いながら覚えるのが効果的」「点数を稼ぐなら古文」「古文攻略にはまず漫画を読め」「物理は覚えなければいけない公式が一番少ない」なんていう秘法(?)が次々明かされるのだから,中学生,高校生は取りあえずこの本を書店で立ち読みして損はないと思う。
この作品で面白いのは,徹底して戦略論,戦術論が展開されている点だと思う。つまり,経営が破綻状態にある三流高校(当然,偏差値超低空飛行の生徒しか集まらない)の経営を立て直すためにはどうしたらいいのか,という命題があるとき,

進学校として名前を上げればいい》

《それならたった一人の生徒を東大に合格させるのが一番の近道だ》

《東大の試験問題に合わせて教育すればいい》

《そのためには東大の試験問題とその傾向を熟知した教師数人がいればいい》

 という具合に,目標をまず定め,それを実現するための最善の戦略を練り,必要な人員を配置し,最適のシステムを構築し,個々の教科の勉強法を工夫し(これが戦術だな)・・・と,徹底的に合理的に組みたてていくのだ。
マンガとして面白いかどうかは意見が分かれるところだが、かなり真剣な教育マンガであるとはいえるだろう。下手な参考書よりまずこれ読んだほうがいいんじゃないか?