『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

マックス・ヴェーバー
珍しく、早々と無事終了な月。

【活動区分評価】
(1)営業活動
 損益計算書では連続して黒字を計上していたが、資金繰り上は赤字を発生させ
続けていた。しかし、破綻直前期になって、ようやく資金を生み出せるようになっ
たのだが、これは企業間信用によるものであり、純粋に利益が増えたための黒字で
はない。
 つまり、この黒字は支払を引き延ばすことで、一時的に生まれたものにすぎず
支払手形を増やすことで得られた幻想のキャッシュなのだ。

(2)在庫状況
 黒字額が最も大きいことからもわかるように、「下請」というビジネスモデル
に戦略転換したことで、資金繰り上は約1億円もの改善効果があったことになる。
 しかし、それ以上に回収負担が高まってしまっており、危険な成長の道を選択
してしまったのである。

(3)本業投資活動
 累計赤字が最も大きいのは本業投資活動であり、これ以外に大きな資金使途は
ないことから、土地取得が資金流出を大きくしていたことになる。
 しかも、破綻直前期の土地取得は手形によるものであり、非常にリスクの高い
資金調達が、不良債権に対するガード力を失わせていたのである。

「当該企業の資金繰り破綻の背景」
第1段階:木造建築を得意とし、個人住宅の元請工事を行う
       ↓
第2段階:ハウスメーカーの建売住宅の建築を請け負い、
                  下請業者に方向転換することで急成長
       ↓
第3段階:ハウスメーカーの手形のサイトは長く、資金繰りを圧迫
       ↓
第4段階:サイト短縮のため、他の取引先へシフトする中、
                  多額の不良債権が発生
       ↓
第5段階:手形ジャンプにより仕入を確保していたが、
               銀行からも支援が得られず、資金繰りが破綻!