最大の受益者

高等学校の「単位偽装」問題。
「被害者は生徒たち」という声もあるが,彼らは共犯関係にあり本来は最大の受益者である。
この期に及んで,「日本史が必修でないのはおかしい」とかの国会質疑はレベルが低すぎる。
高等学校で多様な教育を指向する限り,必修科目は厳選するのが当然。本来ならば,学習指導要領を
大綱化して学校の性格による裁量権を大幅に認めていればよかったのだ。
さて,この問題が浮上し,一気に全国に波及したの背景には,隠れた意図があるのだろう。最終目標は
教育委員会をつぶすことなのではないか。戦後レジュームの一つである教育委員会も,(委員公選制もはるかに後退し)
必ずしも十全に機能しているとはいいがたい。教員(管理職)との人事交流も頻繁で,第三者性が確保されているとは
いいがたい。昨年までは高校の教頭(“不正”を働く側)で,今年は県教委職員(“不正”を取り締まる側)というケースも
珍しくなく,いわば泥棒と警官が渾然一体となっている。
教育行政を文部科学省の上意下達システムに戻すことは,戦後レジュームの破壊の不可欠なピースでもある。
それを意図して,安倍晋三(およびそのブレーン)が今回の問題の発覚を仕掛けていたとしたら,この政権は相当に狡智である(かいかぶりすぎ?)。


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