営業もプロセスに分かれて科学になる。

今は、営業の人数が多すぎるからバカなことばかりやるんです。

 6年前は営業の人員は半分でよいと言っていたんです。それから経済が拡大して仕事は増えましたけど、まだ3分の1多いですね。人数を絞らないと営業の質が上がらないんですよ。「俺は何もできないけど、営業だけできる」と言う人は営業をなめてる。これからは、できない人が営業に来るんじゃなくて、営業できる人間しか使っちゃいけない。

 でも、できない人間をゼロにすることはできないから、何をさせるかというと、できる人間のアシスタント。提案力の強い人間が、提案の仕事に集中できるように、調査とか資料作成とかを他のメンバーがやる。全部のことを一人でするのではなく、業務を分担する。自動車の組み立てみたいに、営業もプロセスに分かれて科学になる。「何でネジ回す人間が切断もしなければいけないんですか」ということ。だから、「自分は提案はできないけど、アポ取りはうまい」とか、営業マンは冷静に自分のポジションを判断すべき。

 5年後は営業マンの流動性も上がるし、給与にも差がつく。提案力のある貴重な人材の給料が上がるのはある程度仕方ない。そうしないと本当の力をみんな引き出せないから。

 結局、これから営業は原点に返るんです。そもそも、営業は「業を営む」と書くのだからセールスじゃないのよ。喫茶店に行くと、“営業中”と書いてるけど、営業マンはいないでしょ。その店を繁盛させるためのすべての営み。それが営業なのよ。

そう・ぶんしゅう
1963年中国山東省生まれ。北海道大学に国費留学。92年ソフトブレーン設立。06年取締役会長を退任し、マネージメント・アドバイザーに就任。

水城○