若者はなぜ3年で辞めるのか?

実は、日本の企業が導入している成果主義は、すでに役職のあるものは降格されない、定期昇給で十分昇給した世代は下がらないという、既得権層にとってのみ都合の良い和製成果主義です。職務給を基本とした欧米の成果主義とはまったくの別物なんです。

 こうした降格のない成果主義では、人件費を抑える必要が出てきます。その対象となるのが、若者の給料なんです。つまり、これから給料が伸びる若者にしわ寄せがきているんですよ。本書に書いたように、上司を食わせるために若者はクタクタになっています。

 これでは若者が閉塞感を感じて、辞めていくのも仕方ない。その事実を彼らに近い立場である私が代弁したかった。と同時に、会社に閉塞感を感じている若者へのエールを送りたかったのです

よく「若いうちは我慢しろ」という言葉を聞きますが、それは嘘ですね。若い頃の苦労が報われる人は少ないでしょう。生涯平社員、年収でも団塊世代の6割程度でピークアウトする人間がこれからは大半になるでしょう。